法律家応援ブログBy ハル

様々な法律やうつ病などの心理学の知識や情報などを記事にしていきたいと思います。加えて、囲碁・将棋・チェスなどの趣味についても書いていきたいと思います。

制限行為能力者について

 今回は、民法の制限行為能力者について書いていこうと思います。

 

 

1.はじめに

 

 民法では意思表示の合致、例えばiPhoneを売りたいと佐藤くんが伊藤くんに言って、伊藤くんが佐藤くんに対して、分かったじゃあ買うよ、という具合に売りたい意思表示と買いたいという意思表示がまるで鏡に映した様に合致した時に契約が成立します。本件では、民法555条の売買契約というものが成立します。

 

 ここで意思表示についてもっと細かく見ていくと、動機→効果意思→意思表示行為という流れを辿っていることがわかります。動機(携帯としてiPhoneが欲しい)があって、効果意思(iPhoneを買いたいって佐藤くんに言おう)という意思が形成され、実際に佐藤くんにこのiPhoneを売ってください、という意思表示がなされることになります。

 

 この意思表示に瑕疵(なんらかの法律上の欠損。ちなみに、読みは「かし」)があるとされている人々を制限行為能力者と言います。

 

2.制限行為能力者の種類

 

 制限行為能力者の種類としては、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人の4つのパターンがあります。

 

 この者らが行った法律行為(売買契約など)は原則として成立しません。例えば、成年被後見人が家を買いたいとしても、成年後見人というアシスタント的な者の許可がなければ買えません。これは被保佐人なら保佐人、被補助人なら補助人、未成年者なら保護者という具合にそれぞれ家庭裁判所の審判で付されています。

 

 ここでは制限行為能力者には何かしらアシスタントがいるんだなと考えてもらえればいいです。

 

 ちなみに、先ほど原則の話をしましたが、法律の世界では原則があれば例外があると考えてもらって構いません。先ほどの売買契約の例外で言うと、制限行為能力者でも日用品はアシスタントの許可なしに買うことができます。また、未成年者もお小遣いでゲームを買うとかはOKです。

 

 知識のインプットはアウトプットがあってこそだと思うのでいくつか設例を出したいと思います。

 

3.例題

 

 以下の文が〇か✖️か考えましょう。

 

 Q1.制限行為能力者は事理を分別する能力に応じて成年被後見人、被保佐人、被補助人、未成年者に分けられる。

 

 

 

  A.〇。成年被後見人は事理を分別する状況を常に欠くもので被保佐人、被補助人の順番に応じてこの程度が軽くなっていく。ちなみに実務では医者の診断書が決め手になることが多いいので、家庭裁判所が決めると言っても、はなから診断書で決まる場合がほとんど。

 

 

 Q2.制限行為能力者はその保護機関や法定代理人が許可を与えなければ、一人で売買契約を締結することができない。

 

 

 

 A2.✖️。日用品の購入など日常生活に不可欠な行為は保護機関や法定代理人の許可が無くても行うことができます(民法9条但書)。

 

 ちなみに但書は「ただしがき」と読みます。ただし書でも可で、分かればいいです。

 

 

制限行為能力者の行為は原則として取消すことができますが、民法21条の様な場合、つまり「制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない」とここにも例外があるので気をつけましょう。

 

 ちなみに詐術とは、判例(裁判所、なかでも最高裁判所の判断)によれば単に黙秘しているにとどまらず、積極的に相手を騙そうとした場合に詐術に当たるとしています。