法学入門
法学入門
この記事は、これから法学を学ぼうとする者について、いわゆるスタートラインに導こうとするものである。
想定読者としては幅広く、これから法学部に入る者、宅建士や行政書士、司法書士から司法試験に挑戦する者、はたまた単に他人に言い負かされないように法的素養を身に付けておきたい者などを想定している。
昨今、世間ではリカレント教育やリスキリングといった言葉が巷を賑わしているが、本書はその役に立つものである。
ちなみにリカレント教育とは、学び直しつまり一度、学業を離れたりした者が再度、教育を受け直したり、今まで学んだことのない分野を学ぶことをいう。
続いて、リスキリングとはre skill ing すなわちスキルを身につけることを指す言葉である。
そこで、本書では法律業すなわち法律を用いて書類を作成したり、官公庁に提出したりする者、手に職をつけたい者のファーストステップになるものにした。
記号について
§ セクション とは、条文を省略するときにかく
① 一項 とは条文の中身を分けたいときに用いる
一 一号 とは項のなかをさらに分けるものである
イ い とは、項や号の中身を列挙したいときに用いる
例えばこうなる 「§①一イ」 これは第一条第一項一号のイと読む。
なお、複数の条文を列挙したいときにはセクションを二つ使用して 「§§①、②、③」
のように記載する。
ちなみに「イ」はイロハニホヘトの「イ」である。よって、例の次は以下のようになる。
「§①一ロ」これも同じように、第一条第一項一号のロ と読む。
意思の「欠缺」は意思の「けんけつ」と読みます。現在では、意思の不存在と呼ばれていますが基本書などで出てきた際に読めるようになりましょう。
勉強の仕方について
私たちは、特に完璧主義者(←過去の私)は、最初を完璧にして、次に次にと完璧にしていこうとする。
しかし、これは愚策である。
とりわけ民法のようなパンデクテン体系の法律は、各項目に共通することを先に書き出して、後に各論として個別具体的な事柄について論じている。
このような場合は通読、つまり、本を一周すること、しかもなるべく早く一周することをおすすめする。
なぜなら、各論がわかっていないと、実際の現場が想像しにくいし、各論の理解が総論に生きてくるからである。
パンデクテン体系を数学好きに説明するとしたら以下のようになる。共通項を括り出して先に出すのである。
Xa、Xb→X(a、b)
この場合Xに当たるのが総論や総則と呼ばれるもので、aやbに当たるのが各論ということになる。
具体的事例で言うと、民法の第3編の売買も賃貸借も消費貸借やその他のことも被補助者や被補佐人はやるので、被補助者や被補佐人のような制限行為能力者の規程を民法の第一編総則に記載すると言ったことである。
刑法でも同じように、各論に罪と罰(要件と効果)を記載して総論に、人とはとか、どのような場所で罪を行ったら日本の刑法が適用され罰されるのか、書いているのである。