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資格試験に役立つ憲法講義ノート

資格試験・公務員試験に役立つ憲法講義ノート

 

今回の記事では憲法のノートを公開してみたいと思います。資格試験に必要な情報を意識して絞って書いているので結構使えると思います。しかし、まとめすぎて意味合いが多少変わったりしているかもしれません。そこで、この部分は間違っているとか、ここはもう少し詳しく説明した方が良いなど様々なコメントお待ちしております。なお、続きはでき次第、追加していく予定です。

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1. 憲法の分類に関して

 まず、憲法には大きく「実質的意味の憲法」と「形式的意味の憲法」に分類できる。また、実質的意味の憲法は「固有の意味の憲法」と「立憲的意味の憲法」にさらに分類できる。
 それぞれ説明していくと、「実質的意味の憲法」とは、それが成文の形で、つまり「〇〇憲法典」(ex.日本国憲法、アメリカ合衆国憲法)といった形で存在するか否かに関係なく、国家の構造・組織及び作用について定めた規範(←規範とはルールのこと)を指す。次に、「形式的意味の憲法」とは、憲法典という特別の形式で存在するもののことである。さらに、「固有の意味の憲法」とは、国家の基本法のことであり、国家が存在すればこれもまた存在する。最後に、「立憲的意味の憲法」とは、国家などの権力保持者による権力の濫用を阻止し、国民の権利を保障するという立憲主義の考え方に基づいた憲法のことである。

2. 人権享有主体に関して

 人権享有主体とは、憲法に規定されている権利(人権)を持っている(享有している)モノ(主体)である。このことについては、日本国憲法の第3章の表題が「国民の権利及び義務」と定めており、一見すると日本国民に人権享有主体性を限定するかのような外観をとっていることから問題となる。この点、法人(会社など)や外国人などにも人権の性質上可能な限り人権享有主体性を認めるのが判例・通説である。例えば、生存権や選挙権などは法人には保障されないし、また被選挙権や入国の自由などは外国人には保障されない。
【八幡製鉄事件、マクリーン事件、森川キャサリーン事件、指紋押捺拒否事件参照】

 

【八幡製鉄事件】

 〈事案の概要〉
 1960年3月に八幡製鉄株式会社の取締役が、同会社名で自由民主党に対して政治献金を行った。これに対して同社の株主Xが損害賠償請求をした。

 

 〈判旨〉
 「会社が、納税の義務を有し自然人たる国民とひとしく国税等の負担に任ずるものである以上、納税者たる立場において、国や地方公共団体の施策に対し、意見の表明その他の行為に出たとしても、これを禁圧すべき理由はない。のみならず、憲法第3章に定める国民の権利及び義務の各条項は、性質上可能なかぎり、内国の法人にも適用されるものと解すべきであるから、会社は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有するのである。政治資金の寄付もまさにその自由の一環であり、会社によってそれがなされた場合、政治の動向に影響を与えることがあったとしても、これを自然人たる国民による寄付と別異に扱うべき憲法上の要請があるものではない。」

 

【マクリーン事件】(最大判昭和53・10・4民集32巻7号1223頁)

 〈事実の概要〉
 アメリカ人のXは、出入国管理令に基づき、外国語教師として上陸許可を経て日本に入国した。このときに許された在留期間は1年であった。
 時がたち在留期限が迫ったXは、在留期間の更新(延長)をY(法務大臣)に申請したところ120日間の期間の更新が認められた。
 これに対し、Xは、改めて1年の在留期間の更新をYに求めたところ、Yは更新を許可しないという処分を行ったので、Xはこの処分の取消しを求めて提訴した。
 なお、Yが、更新を認めないとした理由は、①Xが無届転職をしたこと、②様々な政治活動を行っていたことである。

 

 〈判旨〉
 結論としては、本件処分を合法とした。すなわち、Xの敗訴。
 理由としては以下の通りである。
 そもそも、国際慣習法上、外国人に入国の自由は保障されていない。
 なので、国(法務大臣)に大きな裁量権がある。
 したがって、「裁判所は、法務大臣の……判断の基礎とされた重要な事実に誤認があること等により右判断が全く事実の基礎を欠くかどうか、又は事実に対する評価が明白に合理性を欠く等により右判断が社会通念に照らして著しく妥当性を欠くことが明らかであるかどうかについて審理し、それが認められる場合に限り、右判断が裁量権の範囲をこえ又はその濫用があったものとして違法であるとすることができる」という基準を立てた。

 そして、「憲法第3章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべき」であり、「政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶものと解するのが、相当である」と述べた上で、今回のXの政治活動は憲法の保障が及ぶものだけど、Yの判断に裁量権の逸脱・濫用が認められないので、本件処分は合法と判断した。

【森川キャサリーン事件】(最判平成4・11・16)

 〈事実の概要〉
 1977年、アメリカ人のXは日本人の男性と結婚して在留資格を得た。
 1982年、登録証明書交付の際に当時義務付けられていた指紋の押捺を拒否した。
 同年、休暇を利用して韓国に旅行に行くため再入国許可を申請したところ、法務大臣は、Xが指紋押捺を拒否していることを理由として、再入国を不許可とした。
 Xは、再入国不許可処分の取消しと損害賠償を求めて提訴した。

 

 〈判旨〉

 マクリーン事件を引用して、外国人の再入国の自由について、「我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものではない」と判示した。

3. 幸福追求権に関して

 憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定めている。この条文は幸福追求権に関して定めているものであり、憲法に規定されていない、いわゆる「新しい人権」の根拠規定である。新しい人権には、肖像権、前科等をみだりに公開されない権利などがある。
 この幸福追求権に関しては2つの学説が対立している。一般行為自由説と人格的利益説の対立がそれである。それぞれ説明すると、一般行為自由説があらゆる行為について権利が憲法上保障されていると考えるのに対し、人格的利益説は個人の人格的生存に不可欠な権利が憲法上保障されていると考える。判例・通説は人格的利益説をとっている。
【京都府学連事件、前科照会事件、「宴のあと」事件】


4. 法の下の平等に関して

憲法14条1項は、「すべて国民は法の下に平等」である旨を定めている。
 まず、「法の下」とは、一見すると立法がなされた以降の話をしているようにも思えるが、内容が不平等な法を平等に適用しても、結果として不平等を生んでしまう。したがって、憲法14条は立法者を拘束し、法適用の平等だけでなく法内容の平等をも意味すると考えるべきである。
 また、「平等」に関しては、人間は事実上の差異がもともと存在するため法を機械的・絶対的に適用しても、そのことによりかえって不平等を招いてしまう。なので「平等」とは合理的差別を許容する相対的平等であると考えるべきである。
【尊属殺重罰規定違憲事件、女子再婚禁止期間違憲事件、国籍法違憲事件、議員定数不均衡事件】

 

【尊属殺重罰規定違憲事件】


〈事案の概要〉
卑属である娘Xが、かねてよりの苦痛に耐えかねて、尊属である父親を殺した。このことにより第2審では、Xはかつて存在した刑法200条に該当するとされた。X上告。

 

〈判旨〉
 刑法200条は、目的は正当といえるが、法定刑があまりにも厳しく、憲法14条1項に反して違憲だとした。

 

5. 精神的自由に関して

 

A) 思想・良心の自由

 憲法19条は、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と定めている。思想・良心の自由に関しては一見すると「思想」と「良心」という二つの事柄の自由を保障しているとも読めるが、「思想」と「良心」の意味を区別する必要はないとするのが判例・通説であるので、ここでも同じものと考えておく。では、その「思想・良心」とは具体的にはどのようなことを指すのか。この点、「思想・良心」とは、世界観や人生観、主義、主張など個人の内面的精神作用を広く含むものと考えられている。
 思想・良心の自由の内容としては、国家による思想の強制の禁止、特定思想の有無を理由とする不利益取扱いの禁止、踏絵や思想調査などをされない沈黙の自由がある。
【謝罪広告事件、麹町中学内申書事件、「君が代」ピアノ伴奏拒否事件、起立斉唱拒否事件】