今回は表現内容中立規制、すなわち表現内容とは直接関係のない事柄、時間や場所等による規制が許されるのかについて書いていこうと思います。
駅構内ビラ配布事件(最判昭和59・12・18)
〈事件の概要〉
①Xらは、駅の出入り口付近で、駅係員の許可を得ずに、ビラ配布等の活動を行っていた。
②駅の管理者や依頼を受けた警察官により退去要求がなされた。
③Xらは、②の要求を拒否して、居座った。
④Xらは、刑法130条(不退去罪)違反の疑いで起訴された。
⑤地方裁判所も高等裁判所も有罪判決を下したので、憲法21条1項違反などを理由に上告。
〈最高裁判所の判断の内容〉
上告棄却。(→Xらの有罪確定)
まず、憲法21条は表現の自由を無制約に許したものではない。つまり、公共の福祉のために必要かつ合理的な規制を受ける。なので、「たとえ思想を外部に発表されるための手段であっても、その手段が他人の財産権、管理権を不当に害する」ものは許されない。よって、刑法130条等によって処罰しても憲法21条に違反するものではないとした。
最後に
本判例は伊藤正己裁判官の補足意見の中で示された「パブリック・フォーラム論」が注目されるが、あくまで表現内容中立規制の判例として紹介するにとどまるため割愛したいと思います。もし気なる方がいらっしゃいましたらコメントをください、時間と相談して決めます(おそらく書きます)。
雑記
今まで憲法の事柄についていろいろ説明したりさしていただきましたが、憲法25条の生存権あたりでひとまず休憩しようと考えています。なので、例の如く統治分野やそのほかの部分について説明して欲しいなんて要望がございましたら、コメント等で教えてください。